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関西在住なのに東日本に思いを寄せる今日この頃 鉄分はほとんどありません…

   

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癒しが欲しい


 ぽちぽちありがとうございます!
 昔の小話にも反応いただけて嬉しいです。

 秋田様すごい。さすがすぎて本当になんて言っていいのかわからないけどかっこいいです。
 なまはげって鉈持ってるんでしたか? こまち様によくお似合いと言っていいのかなんなのか;
 たくましいし、やっぱり最強だなあ。東北どんどん泣かせてください(笑
 後は上越上官となかよしのこまち様も見たいです。
 どこかに落ちてないだろうか。

 自分を追い詰めてみよう。ということで、今日中にこの記事の追記に小ネタが現れる、はずです。
 追記:ひとまずss置いてみましたが、帰ってから修正します;
     とりあえず仕事行ってきます!
 さらに追記:文章直しました。視点めちゃくちゃでしたね;


 文章の書き方わからなくなって、botさんに癒しを求めるためついったー始めてみました。
 使い方がまださっぱりわかりませんが、癒されますね^^


いちゃいちゃかっぷる5題  (お題 207β 様より) 




 離れるくらいなら死んでやる!



 書類に視線を落としながら執務室の扉を開けた東北は、顔をあげた瞬間視界に入った光景に思わず眉を顰めていた。
「おつかれ、東北早くそこ閉めて」
「……またおまえは」
 思わずこぼれた言葉は、きっ、と向けられた強い視線と指先に行き先をなくす。部屋の奥にいた山陽や秋田が苦笑しているが、この状況を彼らはどうとも思わないのかと東北は痛みはじめた額を抑えた。
 東北が嘆きたくなるのも無理はないだろう。
 確かにこの頃の急激な気温の変化は寒さに強いはずの身にも堪えるもので、その異常気象は幾度かニュースでも取り上げられたほどだ。しかし、今は仮にも勤務中。少なくとも同僚を抱きしめて暖をとっている時間ではない。
 ため息をつきながらも言われた通りに行動すれば、細い指で指し示した扉が閉じられるのを確認した上越はその膝に乗せた長野を改めてぎゅっと抱きしめていた。たとえ東日本の筆頭が嘆息しようと長年の付き合いで彼が今更そんなものを構うはずもない。
「信じらんないと思わない?! 昨日と今日で10度以上温度差あるんだよ!」
「そうだな」
 だからといって、実際の気温としてはまだ暖房を使用するほどでもない。何より節約を旨とするBTの目もある。
 同僚にとってはそれこそ今更のこと、怖くもなんともないものだが、くどくどと説教されることを避けたいと思うのは誰だって同じことだろう。彼にどれほど寒さを訴えたとしてもせいぜいが温まりたいなら上着を着るか熱い飲み物でも勧められるのが落ちだ。
 だから暖房はつけずに他の物で温まろうとするのはわかる。のだが。
「これから乗務だろう」
 もうすぐ出なければ間に合わない時間。だから早く長野を放して勤務へ向かえと促せば、しかし上越は意固地になったようにますますその手に力を込めていた。
「離れるくらいなら死んでやる!」
「離れたら寒くて死にそう、の間違いだろう」
「一緒だよ!」
 いや違うだろう。
 誰もが思ったが口にはしない。BTとは違った意味でこの捻くれ者を怒らせると面倒だからだ。
 このまま放っておいても結局は仕事熱心な上越のことだ。きちんと業務に向かうのは間違いないのだが、その苛立ちは当分の間収まることはないだろう。むしろひどくなるかもしれないし、どこにその矛先が向くかもしれない。となれば考えなくてもややこしい状況が続くことは決まりきっていた
 ならばせめて寒さをしのぐには、と東北は珍しくもまともな方向へ頭を働かせた。
「上着はどうした?」
「クローゼットの中」
 なぜ着てこなかったのか、と問いかけた東北は、じろりと睨みつけてくる上越の視線に口をつぐんだ。
 その眼は誰のせいかと雄弁に訴えている。
 上越が上着を取りに帰る間もなく部屋から飛び出したのは、今朝始業時間ぎりぎりのことだった。なぜそうなってしまったのかなど思いだせば考えるまでもないことで。視線だけで謝れば、ぷい、と拗ねたように上越は長野の髪に顔をうずめた。
 面白そうに自分たちの様子を眺めている同僚に、何も言ってくれるなとひらりと手を振り、それならば、と東北は今着ている自分のコートを脱ぎ出した。
 彼自身の物がないのなら他で代用すればいいだけだ。
「これでも着ていろ」
 身幅も大きめのロングコートは、多少身長は違うとはいえ、細身の彼には十分着こなせるものだ。自分はちょうどこれから内勤であるし、貸すことについては何の問題もない。
 そう思って踏み出しかけた東北の足は、幼い声に止まることになった。
「あの!」 
「……?」
 今までおとなしく自分の腕の中にいたこどもが上げた声に、ぱちりと上越が目を瞬かせる。東北も、他の同僚たちも同様だ。
「あ、えっと」
 部屋にいた誰からも注目を集めてしまい、かあっと頬を染めた長野は、しかし必死な様子で先輩たちに言い募った。
「ぼくなら大丈夫です」
 だからこのままで、上越に抱きしめられたままでよいのだと。
「しかし」
 業務が、と言いかけた東北の言葉は、ぶんぶんと首を振る長野の勢いに止められる。
「ぼくは夕方から長野でかいぎなので、今日は途中までいっしょなんです。それに高崎の方にはカイロとかも準備してるんです」
 だから大丈夫です。
 寒さをしのぐ方法はいろいろとあるのだと、そう説明する長野は相変わらず自分と共に走る先輩の役に立ちたいと一生懸命だ。いじめまではいかなくともよくからかわれている割にどうしてと思わないでもないが、この幼い同僚が上越を慕っていることは誰の目にも明らかだった。
 だが、たとえ温まるものがあろうともコートくらいは持っていってもいいのではないかと差し出した手を再び伸ばそうとした東北は、子どもに向けられた同僚の表情に目を見張った。
「……じょうえつ先輩?」
 ぽんぽん、と頭の上に置かれた手に長野が視線を向けると、そこには珍しいほど柔らかい表情で微笑む長野の大好きな先輩がいた。それはきっと、長野の思いを受け取ったという了承の意味。それを理解してぱっと笑みを浮かべた長野に、うん、と上越は頷いた。
「よし、じゃあ行こうか」
「はい!」
 促されて長野が立ち上がると、その手は先輩の手に包まれる。まるで年の離れた仲の良い兄弟のように、しっかりと手をつないだ彼らはそのまま業務へと向かっていった。



 そして残された部屋の中。
「おー。負けたな、東北」
「……何も勝負はしていない」
「そう? まあ、足元すくわれないようにね」
 にやりと悪戯っぽく笑う同僚たちから、東北は脱いだばかりのコートへと視線を落としていた。






 うちの上越先輩は長野を抱き枕かぬいぐるみのように扱っていますね。
 ええと、まさか東北をいじめたかっただけなんてそんなことは。

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